“干物女”で何が悪い

リクルート社発行のフリーペーパー『L25』(2007年6月28日号 No.23)を読んでいたところ、あるページで目が留まった。嫌な予感がする。

台所まで行き、母の前で要点を掻い摘みながら音読。

――家でダラダラ過ごすのが大好きな怠け者。職場では、かろうじてOLらしさを装っているものの、家では高校時代のジャージー姿。長いこと恋愛から引退中。“恋愛するより家で寝ていたい”という女性・・・

「あら、それアンタのことじゃない」と母。

やっぱり。誰かに“あなたはそうだ”と言ってほしかった。

――どうやら、今はそういう女性のことを“干物女”というらしいよ。

母親、大笑い。自分だって信楽焼のくせに!(2007年5月13日付http://d.hatena.ne.jp/ssaa-bee/20070513 当ブログ参照)と思いつつ、否定できない私がいる。着てる着てる、高校のジャージー!苗字がしっかり印字されてるし。ないない、男っ気!と、自慢することではないけれど・・・。

さらに、
――私みたいな女は結構世間にいるのだなぁ
と、妙な安心感を覚えたのだから、もはや私は終わっているのかもしれない。

そんな“干物女”を扱ったコミック『ホタルノヒカリ』(ひうらさとる著)が、ドラマ化されることになった。
干物女”の主人公を演じるのは、綾瀬はるか。『anego』や『ハケンの品格』と同じプロデューサーが送るドラマだという。ちょっとドキドキしながら、初回放送を見守った。

だが、早くも1話目でがっかり。

干物女”が恋をする?それなら“干物女”ではなくなるということ?
どんなにいい男が寄り付こうが、「デートするよりも家で寝ていたい」と突っぱねる綾瀬はるかが見たかったのに。

何だか“干物女”という生き方が否定され、女性は恋愛が全てだと諭されているみたいである。

そういえば、『やまとなでしこ』(2000年フジテレビ系で放送)でも、玉の輿を夢見る松嶋菜々子演じる主人公のスタイルは見事に崩れ去った。

早くも初回で、“干物女”から脱却したヒロイン。“干物な暮らし”でも充分幸せな毎日が過ごせることを証明してほしかった。

(敬称略)