働くおなごとして考えた

 働く上での男女平等って何だろう。

 社内での出世について考えると、私が勤める企業では、階級が上がる(出世する)ためには、最低限その階級にいる年数(3年〜)とその階級での良い評価を得ることが必要だ。もちろん飛び級もなければ、降格もない。
 外資系企業をはじめ、異なる制度を持つ企業は多いだろうが、私が勤めている一般的な日本企業は、このように年功序列成果主義ブレンドされている状態だ。

 産休・育休を取得した場合は、評価対象の年数にはカウントされないので、自ずと階級が上がる速度が遅くなる。

 男性から見れば、純粋に働いている年数は産休・育休を取っている女性よりも多い。昇進に際して、対等に扱われては、平等とはいえないかもしれない。

 では、育休を取った女性は、出世レースからは脱落することを意味するのだろうか。

 昨年の7月5日、『「次世代育成」に関する啓発セミナー』なるものが会社で開催され、有名な女性弁護士の講演も行われた。

――産休・育休を取った女性が、男性よりも出世のスピードが遅れてしまうことをどう思うか?
と尋ねたところ、 

 「あなたの会社は恵まれている。出産をするからといって、女性が退職に追い込まれることはない。女性が働かせてもらえるだけでもありがたいことだと思わなければいけない」という答えだった。

 一般的には、出産を機に7割もの女性が退職しており、職場復帰をしてもなかなか現場に溶け込むことができない人が多いという。

 一方、男性が育休を取っている割合は、1%にも満たないのだ。むろん女性よりも男性の方が育休を取得しにく風潮であることも否めないだろう。

 そして、性別がどちらにせよ育休を取れば、過酷な出世レースでは不利に働くのだ。会社から見れば、‘社員が産休・育休を取る=労働力の低下’を意味するのだから、当然の対応かもしれない。会社は、自社の利益を確保することに注力する。
 
 少子化となると、子どもを産み育てることが“社会貢献”だということが声高に叫ばれる。

 会社に貢献するのか、日本社会に貢献するのか。
 サラリーマンに悩みは尽きない。