「食の安全」の裏で

小学校の頃、揚げ足取りが好きな男の子が授業でこんな質問をしていた。
「夜中の12時にジュースを飲んでいて、12時を過ぎたらそのジュースは飲めなくなるんですか〜?」
不二家の不祥事が発端となり、賞味期限が過ぎた原材料を含んだものを販売した企業の謝罪が続いた。
程度の差はあれ、杜撰な管理に驚くとともに、「食の安全」に対する日本人の過敏な反応を再認識してしまう。
 
戦中・戦後の食糧難はどこ吹く風。今や食べ物は溢れ返らんばかりだ。日本国民の目は厳しくなり、中身へのこだわりが出てきた。

そのこだわりの中、日本人は毎日膨大な量の食物を捨てている。

日本は、世界で最大の食料純輸入国にもかかわらず、毎日300万人分以上の食物を捨てていると言われている。家庭から出る生ごみの約4割が食べ残しであるが、そのうち約3割が手付かずの食品だ。なんと、その手付かずの食品の半分以上は、賞味期限前のもの。スーパーマーケットやコンビニエンスストアでは、賞味期限を時間単位で管理し、売れ残りは流れ作業のように廃棄される。このような例は枚挙に遑がない。
 
‘少しぐらい賞味期限が過ぎていたって、食べられるのに『もったいない!』’と思ってしまう。

もちろん食品管理を怠った企業は許されるべきではない。‘少しぐらい…’という気持ちが杜撰な管理を招き、消費者が食中毒を起こすに至った例もある。
 
だが、私たちが「食の安全」を追い求める一方で、大量の食べ残しを生み続けているのも事実だ。

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ご飯は残して外国(よそ)から仕入れて 平和でいいな戦争の無い国
 
「アンダーシャツ」Mr.childrenより

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