自信?いきなり、家事、おふくろ

慣れないことをすると疲れる。

私は、料理の経験が皆無に等しい。
25歳にもなり、この状態は、世間的に‘やばい’らしい。流石の両親も今更ながら娘のことを‘やばい’と思っているらしい。

そんな状況の中、突然母親が10日余り家を空けることになった。人生で一、二を争うピンチである。料理だけでなく、家事自体が覚束ない。出掛けの母親に洗濯機の使い方を教わり、必死でノートに書き留めた。母が作り置きしてくれたカレーが底を尽きると、いよいよ私の出番である。

ぎこちない手で包丁を握る。生まれて初めて切る食材ばかり。自ずとへっぴり腰になる。『うたばん』(2007年3月8日放送)で、料理のできない宇多田ヒカルも同じ格好になっていたことを思い出す。同年代の女性で自分と同じような人がいる!と喜んで見ていた頃が懐かしい。
稼ぎの桁がかなり違うが、彼女も私も働く女性。

頭では理解していたつもりでも実際に体験し、仕事と家事の両方をこなすことは容易ではないと痛感した。

カスピ海ヨーグルトを途絶えないように注意し、ゴミの日の朝に家中のゴミを取り集める。食パンは、少し離れたスーパーマーケットが安く売っている。が、その前に新聞の折込チラシをチェックしないと・・・。

家に帰っても、落ち着かず常に次のことを考える日々。疲れが蓄積されていく。

男も女も関係なく、家事はこなせるにこしたことはない。特に、共働きの家庭は、家事を協力すべきである。私も問題だが、家事を働く妻に任せきりな夫も問題だ。

明日はやっと母親が帰ってくる。今か今かと待ちわびる私に父親が言う。
 
「“百里を行く者は九十を半とす”だぞ」
 明日は長い一日となりそうだ。