自転車はつらいよ

私は毎日のように自転車を使っているが、最近の自転車は肩身が狭い。

軽車両である自転車はもともと、車道を走っていたが、昭和40年代、自動車との接触事故が多発したため、一部歩道での自転車の走行が認められた。だが、近年、歩行者と自転車の事故が急増している。

警察庁は30年ぶりの道路交通法の改正作業に着手しているらしく、自転車が走るのは歩道か車道か、議論が続いている。
車道を走れば、車が我が物顔で走り、歩道を走れば、歩行者が我が物顔で歩いている。狭い日本。自転車は一体どこを走ればいいのか。

自転車にも、道路交通法の規制がある。飲酒運転は、もちろんのこと、傘差し運転や無灯火走行も処罰の対象であるし、左折・右折の際の腕での合図を怠ると罰金となる。

自転車は歩行者に対してベルを鳴らしてはならない。だが、ベルを装備することも義務付けられている。ベルは、自動車に対して鳴らせという意味なのだろうか。車道の喧騒の中、ベルを鳴らしたところで、ドライバーの耳に届くかどうかは疑問だ。

やっとの思いで、自転車を走らせ駅に着いても、今度は駐輪場がない。ふと道路脇の看板を見れば、駐車違反対象区画は着々と広がっている。歩行者の邪魔にはならないような場所でも、赤いラインが引いてある。やむを得なく違反をすれば、自転車撤去の制裁が下る。

自転車は排気ガスも出さないし、今流行りの“エコ”な乗り物。もう少し居場所を作ってもよいと思うのだが・・・。